尾鷲市は、アオリイカを漁船上で活(い)け締め処理し、新鮮な状態のまま水揚げする方法を三重大と協力して開発した。この処理方法で水揚げしたアオリイカに目印のタグを付けて出荷し、ブランド化を図る。
アオリイカは「イカの王様」とも呼ばれる高級イカで、冬季が旬。市では2008年から、尾鷲ヒノキの間伐材を沖に沈め、アオリイカの産卵床として個体数増加を図っている。市内に水揚げされるのは定置網漁がほとんどだが、活け締めの方法がなかったため、鮮度が落ちるのが難点だった。
新しい処理方法は、市と尾鷲漁協、地元の水産関係者で構成する尾鷲港産地協議会が昨年3月から開発を推進。船に上げたイカの頭をハンマーでたたいてまひさせ、水温10度前後のにがり成分を含んだ海水に浸して水揚げする。流通段階で墨を吐かないように墨袋もクリップで留める。こうして処理されたイカには、「尾鷲漁協 船上活〆(いけしめ)」と船名を記したタグを付ける。
活け締めにされ、タグが付いたアオリイカは13日朝、尾鷲魚市場に20キロが初めて水揚げされ、1キロ当たり2077円と、前日より高い値をつけて数分のうちに完売した。
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